2010年05月17日

川渡り神幸祭

 筑豊の初夏の風物詩、川渡り神幸祭が15日始まり、田川市の彦山川周辺は数万人の見物客で埋まりました。鉦(かね)や太鼓のリズムが響き渡る中、山笠の男衆の中には大相撲の元横綱・貴乃花親方(37)の姿もありました。「迫力と熱気がすごい」と感激の面持ちで指揮棒を振り、伝統の祭礼に華を添えました。
 この祭りは県無形民俗文化財で筑豊を代表する県五大祭の一つです。午後3時半過ぎ、神事を終えた神輿(みこし)、山笠は次々と川へ。「ワッショイ」のかけ声とともに男衆が山笠を前後に揺らす豪快な「がぶり」を見せると、稲穂をかたどった「馬簾(ばれん)」から赤、黄、青の色鮮やかな飾りが吹雪のように舞いました。
 山笠を出す11地区の一つ、大通り区の稲富貢区長(59)は田川貴乃花部屋後援会副会長でもあります。その縁で、貴乃花親方は、田川巡業場所が予定される今年、同区の名誉指揮者になったのです。懸命に指揮棒を振る姿に河岸から大きな声援が送られました。
 力水でずぶぬれになった親方は「親父(元大関貴ノ花)が第二の故郷と呼んでいた土地に、こんな熱気あふれる祭りがあるとは」と驚いていました。「(指揮台では)バランスを保つのが精いっぱい。この緊張感は同じ神事である相撲にも通じますね」と祭りムードを堪能した様子で話していました。



Posted by lot at 20:45